ここでは、自動操舵システムのオプション機能と事例について解説します。
自動操舵システムは、トラクターに取り付けることで、ハンドルを自動で制御できるシステムです。農林水産省は、自動操舵システムを以下のように定義しています(※1)。
参照元:農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/forum/R2smaforum/mattingu/system.html)
現在では、スマート農業を支える製品として、さまざまなメーカーが自動操舵システムを開発。中には基本機能に加えて、有料でさまざまな機能を追加できるものもあり、このような機能を、自動操舵システムのオプション機能といいます。オプション機能の例として、補正サービスや設定サービスなどが挙げられます。
オプション機能を利用する主なメリットは、基本機能だけでは満たせないニーズに対応できることです。たとえば、設定サービスを利用すれば、ICTが苦手な方でも自動操舵システムを導入して農業をスマート化できる可能性が広がります。また、細かなニーズに応えることで、作業の効率化をより一層推進しやすくなる点も重要です。ただし、オプション機能の利用には原則として追加料金がかかります。必要性を見極めて利用することが大切です。
FJDynamicsは、自動操舵システム「FJD AT2」を扱っています。主な特徴は、高い操作精度(さまざまな地形で±2.5cm)といえるでしょう。低速作業(0.1km/h)、高速作業(26km/h)にも対応しています。「FJD AT2」は、20m離れた距離からリアルタイム映像(赤外線暗視機能)を端末へ送信する「FJD Wi-Fiカメラ」をオプション機能として用意。夜間でも映像を確認することが可能です。
参照元:FJDynamics(https://www.fjdynamics.com/jp/product/fjd-at2-auto-steer-system)
株式会社ニコン・トリンブルは、整地から収穫まで農作業をトータルにサポートする自動操舵システムを提供しています。主な特徴は、世界中に設置しているGNSS観測局で得たデータをもとに、高精度な補正情報を作成して商業衛星から放送していることです。株式会社ニコン・トリンブルは、作業車両が旋回するときに理想的なルートで次のガイダンスラインへ進入できるように計算・実行するオプション機能「NextSwath」を提供しています。このオプション機能により、作業時間を短縮できる可能性があります。
参照元:【PDF】NIKON Trimble「Trimble スマート農業総合カタログ」(https://www.nikon-trimble.co.jp/pdf/field/0501_agriculture/sougou_agriculture2023_lr.pdf)
トプコンは、簡単に付け替えられる自動操舵システムを展開しています。さまざまな農業機械に使いまわせる点が魅力です。トプコンは、オプション機能として「ホイールアングルセンサー」を用意しています。このオプション機能は、タイヤの舵角を検出するセンサーです。前輪に取り付けることで、自動操舵の安定性が向上します。また、0.1km/hでの超低速自動操舵も可能です。
参照元:【PDF】トプコン「トプコン精密農業機器総合カタログ」(https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/smart_agri_technology/smart_agri_catalog_hinmoku/pdf/smartagri_catalog_suitou-210.pdf)
自動操舵システムは、トラクターなどのハンドルを自動で制御するシステムです。製品により、基本機能やオプション機能は異なります。導入の目的や作業の内容にあわせて選ぶことが大切です。
Q. 自動操舵のオプションは、最初から全部付けたほうがよいですか?
A.
将来使う可能性だけで選ぶと費用が増えるため、現在の作業で効果が出る機能から導入するとよいでしょう。
後から追加できる機能と、購入時にしか選べない機能を分けて確認します。導入前に、既存農機へ物理的に取り付けられるかだけでなく、作業機との連携、ソフト更新、データ形式、販売店の対応範囲まで確認すると安心です。デモでは実際に使う農機・作業で操作性と精度を確認しましょう。繁忙期の停止を避けるため、販売店の対応時間や手動運転へ戻す手順まで確認しておくと、運用リスクを抑えられます。
Q. オートターンと可変施肥なら、どちらを優先すべきですか?
A.
旋回の負担が大きいならオートターン、施肥量の最適化が課題なら可変施肥というように、現場課題で優先順位を決めます。
年間の作業時間とコスト効果を比べると判断しやすくなります。設定の再現性は、複数オペレーターで運用する際の重要な判断材料です。車両寸法、アンテナ位置、作業幅、補正値を記録し、変更時の再キャリブレーション条件を決めておくと、担当者による精度差を抑えやすくなります。導入後は設定値と作業結果を記録し、作業機や圃場が変わったときに同じ精度を再現できる運用にしておくと安心です。
Q. オプション追加で、別メーカーの作業機も連携できますか?
A.
ISOBUSなど共通規格に対応していても、機能の組み合わせで制限がある場合があります。
具体的なトラクター・作業機型式を伝えて、対応実績を確認しましょう。互換性を判断する際は、車種・年式・ステアリング構造、作業機、通信規格、必要な追加部品を型式ベースで確認しましょう。価格が安くても、国内サポート、部品供給、設定支援が不足すると停止時間や追加費用が増えるため、総コストで比較することが重要です。導入後は設定値と作業結果を記録し、作業機や圃場が変わったときに同じ精度を再現できる運用にしておくと安心です。



※2025年8月29日調査時点。Googleで「自動操舵システム」と検索した結果の100位以内の公式HPの中から、日本国内で公表されているメーカーによる自動操舵システムの14製品の稼働速度を比較した最速値。IMUなどのオプション機能での速度も含む(編集チーム調べ)
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ALLYNAV
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FJDynamics
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トプコン
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|---|---|---|---|
| 製品名 | AllyNav AF305/AF718 自動操舵システム | FJD農機自動操舵システム | XD/AGS-2-SET・AES-35 |
| 初期費用 | 847,000円(税込)~ | 1,045,000円(税込)~ | 記載なし |
| 補正情報精度 | ≤±2.5cm | ≤±2.5cm | ±2~3cm |
| 速度 | 0.1~35km/h※デュアルIMUの場合 | 0.7km~12km/h (オプション:0.1km/h~) |
0.1km/h~25km/h |
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ALLYNAV
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FJDynamics
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トプコン
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|---|---|---|---|
| 対応可能経路 | ターン、直線、カーブ、曲線、Uターン、ピボット、90° | 直線、ピボット、平行カーブ、自動ターンA+ライン | 直進、枕地旋回、0.5m~小旋回性能(オプション) |
| オプション | ・リモコン&ハンドルボタン ・カメラ ・レベリングシステム |
・wifiカメラ ・物理ボタン ・ホール型センサー ・FAG独自RTK基地局 ・Bluetoothボタン |
・ホイールアングルセンサー(低速調整) ・枕地旋回機能 ・可変施肥機(散布マップ作成) ・Xlinks(ISOBUS非対応作業機でも制御可能) |
| ISOBUS対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
| アップデート費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
| サポート体制 | 連携先の代理店によるチャット・電話などのサポート | チャットサポート・遠隔サポート・訪問サポート | フリーダイヤルコールセンター(平日9時-17時) |
| 保証期間 | 2年保証 | 最大2年保証 ※有償にて5年間延長保証にも対応。 |
1年保証 |
| 導入実績数 | 世界中で累計35万台以上(2025年6月時点)※1 | 世界中で20万台以上 国内で6,500台以上 (2025年6月調査時点)※2 |
記載なし |
※1:参照元:AllynavAG公式HP(https://www.landingpage-synergy.com/Hs7mDRdM/)
※2:参照元:FAG公式HP(https://www.fagcorp.com/voice)