VRS方式を用いた自動操舵システム

自動操舵システムには、VRS方式を用いたものがあり、これはネットワークRTK方式の一種になります。ここでは、VRS方式を用いた自動操舵システムとは何かについてやVRS方式を用いた自動操舵システムの事例について解説します。

VRS(仮想基準点)方式とは

VRS方式の仕組み

VRS方式は、測量時に基地局を使用しません。GNSS測量の一種であり、移動局から概略位置情報を配信事業者に送信する方法です。

つまり、GNSS測量機があれば基地局が必要ないのが利点です。本来であれば、計測をするには基地局が必要となりますが、ネットワーク型GNSS補正データ配信サービスを活用することによって仮想基準点データでの測量が可能となります。

そのため、仮想基準点方式とも呼ばれていて、移動局周辺に仮想基準点を作り、その地点の補正情報や位相データを計算する仕組みになっています。

精度

VRS方式の位置精度は3~4cm程度となっていて、とくに無線免許は必要ありません。また、総務省への届け出も不要です。1点あたりの計測時間は1秒からとなっていますが、設定により変更可能となっています。

費用目安

VRS方式を用いた自動操舵システムを活用するためには、システムの登録手数料・機器の導入費用・データ利用料・通信費などが必要になります。

基本的に、登録手数料や機器の導入費用が必要なのは初年度のみであることが多いですが、機器がレンタルであれば、毎年レンタル費用がかかってきます。また、データ利用料・通信費なども毎年支払わなければなりません。

対応作業

ガイダンス通りに操作することによって、熟練者と同じ精度で操作が可能になります。対応作業には、以下のような作業があります。

  • 精密耕うん・耕起作業
  • 掘り取り作業
  • 精密肥料
  • 土壌改良剤散布作業
  • 麦・大豆・野菜等の播種
  • 精密代掻き作業
  • デントコーン収穫作業(後進作業)
  • 田植え
  • 水田・畑作の管理作業

VRS方式を用いることで、これらの作業にかかる人手や労力を減らせるでしょう。

VRS方式を用いた自動操舵システムの事例

作業効率のアップ

トラクタでの作業にVRS方式を用いた自動操舵システムを用いることで、疲労軽減や生産性向上が可能になる事例です。

自動操舵でハンドルから手を放しても問題なくトラクターが進むため、神経を使う作業が大幅に減り、その分疲労を軽減されます。

また、設定した作業幅に応じて正確に作業を行ってくれるため、無駄な作業や重複作業がなくなり、生産性が向上します。

参照元:ジオサーフ(https://www.geosurf.net/wp/wp-content/uploads/2020/02/taznaX_2022.pdf

コンパクトな一体型の直進制御システム

コンパクトであるため取り付けても邪魔にならず、ハンドルタイプの農機ならどんなタイプでも使える自動操舵システムの事例です。

取り付けや取り外しが簡単で、配線もシンプル。所持しているトラクターに付け替えることで、さまざまな作業に活用できるのが利点です。

参照元:ジオサーフ(https://www.geosurf.net/products/pf/

スマート農業に必要

Android OSに搭載したタブレットコンピュータを活用したガイダンスディスプレイを使用する事例です。従来通りの環境性能を持ち、さまざまな機能が搭載されています。また、専用アプリで操作を行うことができ、操作はシンプルでわかりやすいのが特徴です。

参照元:トリンブル(https://www.nikon-trimble.co.jp/pdf/field/0501_agriculture/ntag_sougou_catalogue2021.pdf

VRS方式を用いた自動操舵システムについて確認しよう

本記事では、VRS方式を用いた自動操舵システムの仕組みやかかる費用、事例について詳しく解説しました。

VRS方式を用いた自動操舵システムをうまく活用することで、農作業の人件費や労力を減らすことができ、スマート農業が可能になります。導入を検討している方は、費用やどのような作業に対応しているかをチェックしてみてください。

THREE SELECTIONS
日本で認知度の高いメーカー3社を紹介
初めての導入でも安心のメーカーとして、2023年1月時点日本でよく検索されている、認知度の高い自動操舵システムメーカーTOP3をピックアップしました。
認知度の高いメーカーを選ぶことで、「補助金対象になる可能性が高い」「YouTube に情報が豊富にあり、いざというときも調べられる」「誰もが導入しやすい製品」というメリットがあるため、特に初めて導入する方はおすすめです。
これら3メーカーには、「選ばれる理由」があります。ぜひ参考にしてみてください。
低価格
選ばれている

FJDynamics

FJDynamic
画像引用元:FAG公式HP
(https://www.fagcorp.com/fjd-smart-kit)
特徴
  • 99万円~(税込)(※1)と業界トップレベルの安さだから、世界で2万台の導入実績(※2)を誇る。
  • 年数回の機能アップデートが無料で、常に最新の機能を搭載できる。

代理店公式HPから
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安定性
選ばれている

ニコン・トリンブル

ニコン・トリンブル
画像引用元:ニコン・トリンブル公式HP
(https://www.nikon-trimble.co.jp/info/news_detail.html?infoid=149)
特徴
  • 独自の位置情報補正システムで、電波が不安定な場所でも使用可能
  • 補正情報バックアップ機能搭載によりネットワーク切断後20分間継続作業が可能

公式HPから
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汎用性
選ばれている

トプコン

トプコン
画像引用元:トプコン公式HP
(https://www.topcon.co.jp/positioning/products/product/agri/TOPCON_Ag-system_merit_J.html)
特徴
  • 生育センサー搭載で、作物の状態に合わせて散布機での肥料量を自動調整(※3)できる。
  • スマート農業促進が評価され「2021 年度ロボット大賞」受賞(※4)

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トプコンについて
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2022/11/24時点、Googleで「自動操舵システム」と検索し、表示された自動操舵システムメーカーと、農林水産省公式HP(https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/forum/R2smaforum/mattingu/system.html)に記載されているメーカー11社の中から、2022年10月時点、「社名 自動操舵」というキーワードをGoogleキーワードプランナーで調べた結果、月間検索数が多かったメーカー上位3社を認知度が高いメーカーとして紹介。

(※1)別途代理店による取付費用10万円(税込)~。業界トップレベルの安さとは、当サイト編集チームが11メーカーを調べた結果最安値だったため。
(※2)2023年1月調査時点
(※3)オプション機能。
(※4)参照元:ロボット大賞公式HP(https://robotaward.jp/archive/2020/)

3大メーカーがまるわかり
機能早見表
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製品名 FJD農機自動操舵システム ・Trimble GFX-750+Autopilot Motor Drive or EZ-Pilot Pro
・Trimble GFX-350+Autopilot Motor Drive or EZ-Pilot Pro
XD/AGS-2-SET・AES-35
初期費用 99万円(税込)
取付10万円~(税込)
2,500,000円前後(税不明) 記載なし
補正情報精度 ≤±2.5cm ±2~3㎝
作業により±15~30㎝、±20~30㎝の場合もあり。
±2~3㎝
速度 0.7km~12km/h
(オプション:0.1km/h~)
0.1km/h~
※EZ-Pilot Proは1.6km/h以上で自動操舵をサポート
0.1km/h~25km/h
FJDynamics
ニコン・トリンブル
トプコン
対応可能経路 直線、ピポット、平行カーブ、自動ターンA+ライン 自動旋回機能(オプション) 直進、枕地旋回、0.5m~小旋回性能(オプション)
オプション ・wifiカメラ
・物理ボタン
・ホール型センサー
・FAG独自RTK基地局
・Bluetoothボタン
自動旋回機能 NextSwath ・ホイールアングルセンサー(低速調整)
・枕地旋回機能
・可変施肥機(散布マップ作成)
・Xlinks(ISOBUS非対応作業機でも制御可能)
ISOBUS対応
アップデート費用 無料 無料 無料
サポート体制 チャットサポート・遠隔サポート・訪問サポート 購入者専用サイトにて対応 フリーダイヤルコールセンター(平日9時-17時)
保証期間 最大2年保証
※有償にて5年間延長保証にも対応。
3年保証
※有償にて5年間延長保証にも対応
1年保証
導入実勢数 世界中で2万台以上
国内2000台
(2023年1月調査時点)
累計販売台数1万台突破
(2023年1月調査時点)
記載なし