国際通信規格であるISOBUS(イソバス)は、メーカーを問わずにトラクターと作業機との間で実施される、データ通信の相互接続性を担保する世界標準を指します。
近年、作業機やトラクターは電子制御化が進んでおり、さまざまなデータを相互にやり取りしています。また対応している機種であれば複数のISOBUS対応作業機を1つのターミナルで操作が可能です。
そして将来的には営農支援管理システムがISOBUSに対応でき、作業機で実施した施肥や農薬散布のデータを記録し活用することが可能となるのです。
トラクターと作業機を1つのケーブルで接続するだけで通信や動作可能となるため、余計な配線や操作器機がいりません。トラクターの操作パネルから作業機の全機能をコントロールできるのも魅力です。
ISOBUS規格に準じている農業機械を用いると、トラクターと作業機のメーカーが異なっても組み合わせて使用できます。以上のことからさまざまな機械を選択できるでしょう。
北海道では、人手不足や規模拡大が進んでいます。そのような中、国際規格であるISOBUSを搭載した海外製大型トラクターと作業機を導入する動きが加速しています。
近い将来、ISOBUS規格に対応していない国産作業機の需要が大幅に減る点が心配される状況です。 そのような背景もありISOBUS対応の作業機および電子制御ユニット(ECU)の開発を実践的に支援・推進を目的とした「ISOBUS普及推進会」が設立されたのです。
設立後さまざまな研修会が開催され、2022年8月にはISOBUS普及推進会2022年度定期総会にて、ISOBUS対応作業機およびスマート農機等の開発支援と関連サービスや、開発者・経営者向け情報提供等について承認されている状況です。
参照元:ISOBUS普及推進会公式HP(ISOBUS普及推進会について)
ISOBUSには認証制度があり、Agricultural Industry Electronics Foundation(AEF 国際農業電子財団)のテストに合格しなければなりません。合格した機種のみが認証され、認証ラベルが交付されるシステムとなっています。
AEFで認証される項目は9つあります。以下の表に各項目の名称と特徴を説明します。
| UT(Universal Terminal) | キャビン内に設置されている共通操作端末を用いるための機能です。接続された作業機から送付されてきた画面の表示と、それを基に操作を行う際に使います。 |
|---|---|
| AUX-N(Auxiliary Control) | ジョイスティックやスイッチボックスなどの補助入力装置を用いるための機能。 |
| TC-BAS(Task Controller basic/作業機) | 作業指示マップや作業履歴等のデータを受け渡しする機能。ISOBUSでは、「ISO XML」と呼ばれるデータ仕様を用いるため、読み書きする際に必要です。 |
| TC-GEO | GPS等によって得られる位置情報に連動した動作を実施する機能です。マップベースの可変散布など実現します。 |
| TC-SC(Task Controller Section Control) | 作業幅を複数の範囲に分割してセクションごとにON・OFFさせる機能。 |
| TECU(Tractor ECU) | トラクタの電子制御を実施するトラクタECUに関する基準を指します。 |
| ISB(ISOBUS Shortcut Button) | ISOBUSショートカットボタンに関する基準であり、ON・Offができます。 |
| TIM(Tractor Implement Management)【開発中】 | トラクタと作業機をどちらの方向にも制御可能にするための基準。 |
参照元:農研機構公式HP((お知らせ) 国産の農業用作業機で初のISOBUS(イソバス)認証取得)
参照元:(pdf)農研機構公式HP(平成29年度海外技術調査報告)
ISOBUS(イソバス)は、メーカーを問わずにトラクターと作業機との間で行われる、データ通信の相互接続性を担保する世界標準です。自動操舵システムの導入を検討している方は、導入を考えているシステムがISOBUSに対応しているかメーカーに問い合わせをするとよいでしょう。
Q. ISOBUS対応なら、メーカーが違うトラクターと作業機でもつながりますか?
A.
共通規格による接続性は高まりますが、すべての機能が必ず使えるとは限りません。
トラクター、ターミナル、作業機が対応する機能クラスを確認し、組み合わせ実績も確認すると安心です。BtoB・農業法人で標準化する場合は、複数メーカーの農機に対応できるか、端末や設定を使い回せるか、故障時に同等品へ切り替えられるかが重要です。機能比較と同時に、保守契約や現地対応の条件も確認しましょう。導入後は設定値と作業結果を記録し、作業機や圃場が変わったときに同じ精度を再現できる運用にしておくと安心です。
Q. ISOBUSを使うと、自動操舵と作業機制御を一つの画面で操作できますか?
A.
対応ターミナルと作業機であれば、一つの端末へ情報を集約できる場合があります。
画面切替や操作性は製品で異なるため、実機で使いやすさを確認するとよいでしょう。導入前に、既存農機へ物理的に取り付けられるかだけでなく、作業機との連携、ソフト更新、データ形式、販売店の対応範囲まで確認すると安心です。デモでは実際に使う農機・作業で操作性と精度を確認しましょう。導入後は設定値と作業結果を記録し、作業機や圃場が変わったときに同じ精度を再現できる運用にしておくと安心です。
Q. 古い作業機をISOBUS対応に後付けできますか?
A.
変換キットやコントローラーで対応できる場合がありますが、作業機のセンサー・アクチュエータ構成によります。
後付け費用と買い替え費用を比較して判断しましょう。BtoB・農業法人で標準化する場合は、複数メーカーの農機に対応できるか、端末や設定を使い回せるか、故障時に同等品へ切り替えられるかが重要です。機能比較と同時に、保守契約や現地対応の条件も確認しましょう。繁忙期の停止を避けるため、販売店の対応時間や手動運転へ戻す手順まで確認しておくと、運用リスクを抑えられます。



※2025年8月29日調査時点。Googleで「自動操舵システム」と検索した結果の100位以内の公式HPの中から、日本国内で公表されているメーカーによる自動操舵システムの14製品の稼働速度を比較した最速値。IMUなどのオプション機能での速度も含む(編集チーム調べ)
|
ALLYNAV
|
FJDynamics
|
トプコン
|
|
|---|---|---|---|
| 製品名 | AllyNav AF305/AF718 自動操舵システム | FJD農機自動操舵システム | XD/AGS-2-SET・AES-35 |
| 初期費用 | 847,000円(税込)~ | 1,045,000円(税込)~ | 記載なし |
| 補正情報精度 | ≤±2.5cm | ≤±2.5cm | ±2~3cm |
| 速度 | 0.1~35km/h※デュアルIMUの場合 | 0.7km~12km/h (オプション:0.1km/h~) |
0.1km/h~25km/h |
|
ALLYNAV
|
FJDynamics
|
トプコン
|
|
|---|---|---|---|
| 対応可能経路 | ターン、直線、カーブ、曲線、Uターン、ピボット、90° | 直線、ピボット、平行カーブ、自動ターンA+ライン | 直進、枕地旋回、0.5m~小旋回性能(オプション) |
| オプション | ・リモコン&ハンドルボタン ・カメラ ・レベリングシステム |
・wifiカメラ ・物理ボタン ・ホール型センサー ・FAG独自RTK基地局 ・Bluetoothボタン |
・ホイールアングルセンサー(低速調整) ・枕地旋回機能 ・可変施肥機(散布マップ作成) ・Xlinks(ISOBUS非対応作業機でも制御可能) |
| ISOBUS対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
| アップデート費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
| サポート体制 | 連携先の代理店によるチャット・電話などのサポート | チャットサポート・遠隔サポート・訪問サポート | フリーダイヤルコールセンター(平日9時-17時) |
| 保証期間 | 2年保証 | 最大2年保証 ※有償にて5年間延長保証にも対応。 |
1年保証 |
| 導入実績数 | 世界中で累計35万台以上(2025年6月時点)※1 | 世界中で20万台以上 国内で6,500台以上 (2025年6月調査時点)※2 |
記載なし |
※1:参照元:AllynavAG公式HP(https://www.landingpage-synergy.com/Hs7mDRdM/)
※2:参照元:FAG公式HP(https://www.fagcorp.com/voice)