代かきとは、水を張った田んぼの土を砕いて均平にする作業です。田植え前に行う工程で、ほ場の均平精度が高いほど苗の活着が揃いやすく、高品質な米の生産につながります。
ただし掻き過ぎると、土壌の透水性が低下したり、有機物が浮上したりするリスクもあります。適度な回数と速度で代かきを行うことが、稲作全体の品質管理において重要なポイントです。
自動操舵システムは、RTK-GNSS方式の衛星測位技術を活用した農業機械の走行支援装置です。補正信号を受信することで、誤差数cm単位の高精度な位置情報を取得できます。
主な構成パーツは、GNSSアンテナ・モニター・ハンドル制御装置の3点です。既存のトラクタに後付けできるタイプもあり、新たに農機を購入せずに導入が可能です。代かきをはじめ耕うんや田植えなど、さまざまな農作業で活用されています。
自動操舵システムを使用すると、隣接する作業行程のラップ代(重なり幅)を一定に保てます。手動操作では目視に頼る場面が多く、ラップ代にばらつきが生じやすい点が課題でした。
ラップ代が均一になることで代かきハローの作業ムラが減少し、ほ場全体の均平精度が高まります。苗立ちの均一化や生育ムラの抑制にもつながるため、米の品質向上が期待できます。
秋田県農業試験場の調査では、自動操舵システムを用いた荒代かき作業において慣行比5〜13%の作業時間削減が報告されています。行程空け旋回の採用による旋回時間の短縮や、長辺行程数の最適化が効率向上の要因です。
大区画ほ場では作業面積が広いため、わずかな時間短縮でも全体の省力化効果が大きくなります。
ハンドル操舵が自動化されるため、長時間の代かき作業でもオペレータの集中力を維持しやすくなります。経験の浅いオペレータでも高精度な作業が可能になり、仕上がりの安定化が見込めます。
後付けタイプの自動操舵システムは、100万円前後の導入費用が目安とされています。複数台の農機で使い回せる製品もあり、コストパフォーマンスを高められる場合があります。
導入前にはRTK補正信号の受信環境を確認しておく必要があります。自前の基地局を設置する方法と、ネットワーク型RTKサービスを利用する方法があるため、営農環境に合った選択が大切です。スマート農業関連の補助金制度の活用も検討してみてください。
自動操舵システムは、代かき作業における均平精度の向上・作業時間の短縮・オペレータの疲労軽減に貢献する技術です。導入を検討する際は、メーカーの体験会への参加や補助金情報の収集から始めてみてはいかがでしょうか。



※2025年8月29日調査時点。Googleで「自動操舵システム」と検索した結果の100位以内の公式HPの中から、日本国内で公表されているメーカーによる自動操舵システムの14製品の稼働速度を比較した最速値。IMUなどのオプション機能での速度も含む(編集チーム調べ)
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ALLYNAV
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FJDynamics
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トプコン
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| 製品名 | AllyNav AF305/AF718 自動操舵システム | FJD農機自動操舵システム | XD/AGS-2-SET・AES-35 |
| 初期費用 | 847,000円(税込)~ | 1,045,000円(税込)~ | 記載なし |
| 補正情報精度 | ≤±2.5cm | ≤±2.5cm | ±2~3cm |
| 速度 | 0.1~35km/h※デュアルIMUの場合 | 0.7km~12km/h (オプション:0.1km/h~) |
0.1km/h~25km/h |
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ALLYNAV
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FJDynamics
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トプコン
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|---|---|---|---|
| 対応可能経路 | ターン、直線、カーブ、曲線、Uターン、ピボット、90° | 直線、ピボット、平行カーブ、自動ターンA+ライン | 直進、枕地旋回、0.5m~小旋回性能(オプション) |
| オプション | ・リモコン&ハンドルボタン ・カメラ ・レベリングシステム |
・wifiカメラ ・物理ボタン ・ホール型センサー ・FAG独自RTK基地局 ・Bluetoothボタン |
・ホイールアングルセンサー(低速調整) ・枕地旋回機能 ・可変施肥機(散布マップ作成) ・Xlinks(ISOBUS非対応作業機でも制御可能) |
| ISOBUS対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
| アップデート費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
| サポート体制 | 連携先の代理店によるチャット・電話などのサポート | チャットサポート・遠隔サポート・訪問サポート | フリーダイヤルコールセンター(平日9時-17時) |
| 保証期間 | 2年保証 | 最大2年保証 ※有償にて5年間延長保証にも対応。 |
1年保証 |
| 導入実績数 | 世界中で累計35万台以上(2025年6月時点)※1 | 世界中で20万台以上 国内で6,500台以上 (2025年6月調査時点)※2 |
記載なし |
※1:参照元:AllynavAG公式HP(https://www.landingpage-synergy.com/Hs7mDRdM/)
※2:参照元:FAG公式HP(https://www.fagcorp.com/voice)